2008年10月8日水曜日

カツラ

髪の毛も8割がた抜け、かなり頭が寂しくなってきました。今まで帽子などで薄くなった頭を隠してきましたが、もう横の毛も薄々で抗がん剤の副作用で脱毛したのがバレバレです。外に出ると人の目線が気になります。「あの人は癌かな、髪の毛が薄いな」と可愛そうに思われるのがつらくなってきました。抗がん剤を始める前は「髪の毛が抜けたって自分は平気」と思っていたけれど、いざ本当に抜けると正直言って隠したくなってしまいます。

そこで昨日はカツラを買いに近くのショッピングモールに出かけました。韓国人の女の人がやっているウィグショップがあり、いろんなスタイルから2つを選択。店の奥にカツラをフィットしてくれる小さな部屋がありました。中は大きな鏡がって、客が座る椅子、そして回りに美容師さんが使うような器具が置いてありました。ちょっと楽屋をイメージするような部屋でした。

その韓国人の女の人はそこでカツラが私の顔に合うように、カットとスタイリングをしてくれました。自分の髪の毛を失ってカツラをつける。。。「なんでこんな事になっちゃったんだろう」とまた少し悲しくなりました。

でもウィグショップの女の人は、とても綺麗に私の選んだカツラを仕上げてくれました。長いほうのカツラをスタイリングし終えて「高校生みたいに見えるね」なんて、言ってくれました。


この方も毎日、私のような癌で髪の毛を失った人のお手伝いをしているんだな、と思うと彼女にとっては仕事とはいえ「ありがたいな」と思うのでした。
さて私の入っている健康保険では抗がん剤で脱毛した場合カツラは義足や義歯などと同じ「プロテーゼ(人口器官)」という扱いになっています。それでカツラ一つまでは保険がききます。700ドルぐらいまではカバーされるそうで、ウィグショップの女の人が「2つのカツラのお金が下りるように、レシート書いてあげる」というので今回は二つ購入ということになったのです。
長いほうは本物の毛、短いほうは人口の毛でできています。本物の毛はパーマかけたり、脱色したり、自由自在なそうです。
家に帰って無造作に購入したカツラをテーブルに置いておいたら、三歳になる娘がそれを見つけました。長いカツラを持ってきて「これ、なあに」と聞きます。
「これはママのカ・ツ・ラだよ」と答えると
「かぶってー」と娘。
私がかぶると「あー、可愛いねえ」と言ってケタケタ笑います。
今度は自分が付けたいと、私の頭からとって自分の頭に乗っけたりしています。
そして次は「ココにもー」といって犬にかぶせています。
完全におもちゃです。
「これはママの毛だからね、ひっぱったりはだめだよ」と言いました。
「ママはこれ付けてたほうがいいかな」と尋ねると「うん」という答え。
私も単純に「そっか、やっぱ外出時はつけよー」と思ってしまいました。

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