2008年12月4日木曜日

形成外科医との診察(再建のコンサルテーション)

朝10時に、外科医との診察がありました。
 
最初に入ってきたのはチーフ・レジデント のDr. C。中国系アメリカ人の先生のようです。手術日当日は私の主治医のDr. Eと一緒に手術に携わってくれるということ。初めて会うので、私の今までの経過をざっと話しました。次にインターンの医師が入ってきました。やはり今までの経過を話しました。最後に入って来たのは主治医のDr. E。そしてDr.CとDr.Eによりお決まりの診察。
 
私は両側の乳腺全摘をするため、癌のある右側はDr.E とDr.Cが担当。左側は時間短縮のため、もう一人のDr.Eのパートナーの医師が切除するそうです。それから手術を始める前に、形成外科医のDr.Oがやって来て、どのように皮膚を切除するかマーキングをしてくれるそうな。なんだか私一人の手術に四人もの医師が関わるなんて、大世帯だなあと思いました。

最後はケース・マネジャーのナースのオフィスへ。乳がんの治療には外科、腫瘍内科、放射線科、形成外科など様々な専門科によるケアが行われるため、治療全体をコーディネートしてくれるのがケース・マネジャーの役割です。ケース・マネジャーはRegistered Nurse (正看護婦士)の資格をもつ看護士さんです。
 
彼女に提出する書類や術前検査の支持をもらいました。検査や術前手続を今日やってしまってもよかったのですが、形成外科との診察が1時にあり、時間的にきびしかったので術前手続と検査は明日に延期しました。


すぐに病院を後にし、再建について話会うため、形成外科医のDr.Mのオフィスに向かいました。 Dr.Mのオフィスは病院お隣の市にあり、車で20分ぐらいのところにあります。

Mr.Mは私のクラスメートのお父さんです。形成外科を30年以上やっておられて、とても経験のあるお医者さんです。乳房再建に関しても、その歴史を70年代から見られている方です。それで色々な再建のお話や、様々な再建方法のメリットとリスクの話もしてくれました。

まず私が当初検討していたエキスパンダーによる同時再建(組織拡張法)ですが、メリットは乳房切除術と同時にできること。体への負担も少なくてすみます。シリコン・インプラントは豊胸手術など、胸の脂肪の下に入れる場合はとても良い美的効果をもたらすらしいのですが、ただし私の場合は乳腺全摘なので、基本的に胸の脂肪等全て失います。そこで胸の筋肉の下にシリコン・インプラントを入れた場合、あまり自然なおっぱいの形にならないそうです。

自分の体から組織を移植する様々なフラップ術について。同時再建でなく、乳腺切除術とは別の日程を設定して行われます。現在最もよく行われるのは筋皮弁法で、広背筋皮弁法と腹直筋皮弁法の二つがメジャーです。広背筋皮弁法は背中の皮膚、脂肪、筋肉の一部をとってきて胸の再建に使います。腹直筋皮弁法のほうはお腹の一部を取ります。(分かりやすい図や詳しい説明はこちらで:http://www.csp.or.jp/network/jytugoRyoyo/m_link5_saikenJyutu.html

メリットとしては自然に近い胸が再建できること。デメリットは筋肉の機能が低下すること。広背筋皮弁法では肩の力が、腹直筋皮弁法では腹筋機能が低下することがあります。腹筋が低下すると重いものが持ち上げられなくなったりするらしいです。

そこでMr.Mが薦めてくれたのはDIEPフラップという方法です。これは皮膚と脂肪と血管をお腹から移植する方法で、筋肉を取らないので筋力が低下しません。ただお腹から取ってきた血管を胸部につなぐので、マイクロ術が必要になります。私が乳腺全摘出を受ける病院では、現在のところDIEPができるお医者さんがいません。私の場合両側乳腺全摘出なので、片方だけでも4-5時間、両側だと8-10時間の長い手術になるそうです。
  
話の後は診察室へ。私は4年前に出産しているので、お腹の脂肪がまだかなり残っています。Mr.Mによると、これが良かったとのこと(初めてお腹の脂肪にありがたみを覚えました!)。お腹の脂肪を全部とって胸に移植すれば、今の胸のサイズよりちょっぴり大きめのおっぱいが再建できるということです。
 
つまり豊胸術とお腹のたるみを取る手術(腹部形成)を同時にやってもらうような感じですね。ちょっと心の中でにっこり(本当はおしりのたるみも取ってほしいけど)。でもお腹や胸に大きな傷は残るし、乳首はなくなるし、元のままの胸は帰ってきません。でも癌だもんね、しょうがない。
 
もともと私は再建なんてどうでもいいと思っていました。生きられるなら、胸なんか無くってもいいと今でも思っています。ただ夫のお姉さん(5年前に乳がんの告知を受け、両側乳腺全摘と再建を受けています)に再建を薦められました。私には小さい子供がいるので、夏などは海やプールに行きたがるでしょう。そのときに再建していれば、一緒について行ってあげらるかなとも考えました。また有難い事に私の入っている保険では手術にほとんどお金がかからないので、受けてもよいかなと思ったのです。

再建のほうは術後化学療法と放射線療法が終わってからの手術になります。予定だと6月か7月になりそうです。
 
まずは月曜日に乳腺全摘。しっかりがっぽり、取ってもらいやしょう。

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