2008年11月18日火曜日

ちょっとムッ

最近何もしたくなく、鬱気分に入っている私。化学療法最終クールから3週間以上経つというのに、気分が晴れません。鬱なら早めに病院にかかったほうがいいと思い、今日精神科を受診しました。
 
11時15分のアポイントだったので時間どうりに行くと、
「アポイントは12時からになってました。でも記入しないといけない書類があるからちょうどいいですね」                        
などと言われた。書類記入なんて10分もかからなかったので、40分ほど待たされるはめに。

12時15分ぐらいに女の人が待合室にやってきて「12時半のアポイントのはずでしたが、どうぞ」などと早めに見てあげますみたく言われ(12時半?受付のおじさんは12時と言ってたのに、なぜに。私は1時間以上待たされているから、早くみてもらうっていう感覚はない)、オフィスの一室に通される。その人は精神科の医師でもなんでもなく、ソーシャル・ワーカーだった。アポイントを取ったとき、ソーシャルワーカーとのアポイントであることを誰も言っていなかったので、ちょっと腹が立った。その事を言うと、彼女は「混乱を招いてすいませんでした」と低姿勢だった。彼女によるとまずは面接して、医師への紹介状を出してくれるという。

アメリカでは紹介状(Referral)がないと専門医に会えない仕組みになっています。これは本当にイライラします。体の症状が微妙で、どの科に直接行っていいのか分からない時は家庭医でいいですが、メンタルな問題の場合どう転んでも精神科でしょう。まったく時間とお金の無駄です。私の保険の場合、医者にかかるときに自己負担はゼロなのでいいですが、これで20%なり30%なりの請求が来たら本当に腹が立つでしょう。
 
しょうがなのでソーシャル・ワーカーのお付き合いをしました。「7月に告知を受けて、欝のような状態に悩まされている」ことを告げました。結局ソーシャル・ワーカーの口にするのは「大変ですね」とか、「何もやる気にならないのは当然ですよ」とかいった事ばかり。「癌告知というのはショックですよね、気持ち分かります」たぐいの事を言われたときは少し嫌気もさしました。癌患者のつらさは、本当に告知を受けた人でないと分からないからです。そんなに簡単に「気持ち分かります」みたいなこと、言って欲しくなかった。

アメリカ人は理屈っぽいですから、「気持ち分かります」の次にはいわゆる心理学の教科書に書いてあるような理論っぽい話をはじめてきました。どの話も前に聞いたことあるようなものばかり(私も大学で一般心理学や臨床心理学のクラスをいくつか取っていました)。「当たり前だけど、この人もそれなりに本を読んで勉強してるんだなあ」ぐらいにしか思いませんでした。私を元気づけようと思って、「落ちこんでも、うつでも自然だよ」と言いたいようなのですが、彼女のアプローチでは私の心にはあまり届きません。ブログなどを通じて、今現在乳がんと闘っている人達の言葉のほうがずっと励ましになる、と思いました。そんな事を思いながら、ソーシャル・ワーカーの話をぼーっと聞いていました。私も聞かれた質問以外は特に話をしなかったので、かなりソーシャル・ワーカーにとってはしらけたセッションだったかもしれません。
              
最後にもう一度、「もともとショーシャル・ワーカーとのアポイントであることを知らされていなかった事」、「紹介状なら家庭医で書いてもらえたが、精神科のクリニックでアポイントがもらえたので精神科の医師にすぐ見てもらえると思い込んでしまったこと」、「もっときちんと今日のアポイントについて事前に詳しく説明してほしかったこと」を伝えました。ソーシャル・ワーカーの女性は最後まで低姿勢で良い方でしたし、最後に紹介状もすんなりとくれました。でも今回のセッションはやっぱり時間のロスと感じてしまいました。ちょっとイライラがつのった日でした。


 

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

わかりますー!!
私も看護学校で心理学をかじりましたが、
基本的なカウンセリングの技法ですよね。
確かに、本当の意味で理解出来るのは、
経験者だけですよね。

ただ、それを言ったら、治療を施す側も
病気にならないと、分かり合えないじゃん。
と言われてしまうので、あえて言いませんが。

患者のうなさんの方が一枚上手でしたね。(=^∀^=)

匿名 さんのコメント...

偶然私も今日の甲状腺専門医の予約が11:15分でした。いつものように小一時間待たされました。予約はあってないようなものと思っています。

日本でも長時間待たされて3分診療といいますが、カナダでも同じだと思うことがあります。質問すれば丁寧に答えてくれるのがちょっと違うかな。

うな さんのコメント...

小梅さん、

少しソーシャル・ワーカーさんに関してネガティブな事を書いてしまったのですが、考えてみるとカウンセリングって、とても難しい仕事かもしれませんね。まずは人の気持ちになってあげないといけませんから。カウンセリングするほうに経験が無い場合、クライアントの苦しみを想像するしかできないですもんね。

私は告知されて、患者さんの視点で物事をみれるようになったことは、良かったと思っています。いろんな人に感謝できる機会も増えました。

うな さんのコメント...

マープルさん、

私のかかっているお医者さん達も、質問すれば丁寧に答えてくれますね。私は余分な事は聞かないので、いつも診察は要点だけ押さえて早く終わるのですが、話好きの患者さんなどは世間話とか始めるひとがいますからね。お医者さんもそういう方には少し時間がかかるのではないのでしょうか。実際医学部の授業の一環で"Difficult patients"というトピックがあって、関係ない事を永遠と話している患者にどう対処すべきか、なんてことも学びました。日本人は無駄話を嫌う傾向がありますから、そんなことはないでしょうね。